ていねいに暮らす その382
2025/06/20
父の通信簿!
6月15日は父の日。
3年半前に亡くなった父を想いながら、
遺品の整理をしていると、
この前、黒電話を見つけた時のような古びた箱を見つけた。

箱の側面に「小学、中学通告表入」の文字。
箱を開けてみると、中には、
「磐田郡熊尋常高等小學校 昭和十年度 通告表」。
尋常科第一學年の文字。
開いてみると、「修身、甲」「算術、甲」「唱歌、甲」と
甲の文字が並んでいる。
発育の欄に「身長 115㎝ 体重20㎏」
その頃の父の姿を想像する。
学校からの便りは達筆すぎて読めない。
賞状で「褒状」とある。
「右者品行方正學業優等ナリ依テ賞品ヲ授輿ス」。
優秀で賞品をもらったのだろう。
箱の中は、たくさんの通信簿や賞状でいっぱいだった。
使い捨ての時代に、90年前の物がある、この事実に感動する。
父は、生まれてすぐに、祖父を亡くし、
18才で祖母を亡くしている。
残してくれた祖母の父に対する深い愛を感じる。
それを90才過ぎまで幾度の引っ越しを経ても、
とっておいた父の故郷への強い想いと、
祖母に対する愛が伝わってくる。
小学生の父の姿に想いを馳せる、2025年の父の日だった。
by石塚